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内臓脂肪減少薬アライは買えない?肥満やむくみに向けた市販の漢方薬の選び方

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大正製薬から4月に発売される予定の、内臓脂肪減少薬『アライ』

アライの購入には、薬剤師さんからの購入という決まりのほか、条件があります。
自分で手に取って購入したいというなら、漢方薬という選択があります。

ここでお話するのは、市販薬の漢方のおはなしです。

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肥満やむくみの漢方市販薬

肥満やむくみに向けた市販の漢方薬の代表的なものが3つあります。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

体力充実、腹部に皮下脂肪が多い太鼓腹、便秘がち

大柴胡湯(だいさいことう)

体力充実、筋肉質固太り、イライラ、肩こり、便秘がち

防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)

体力中程度以下、色白、軟らかい肉付き、水太りタイプ

防風通聖散

どんな人向け?

便秘がちで、太鼓腹、食欲旺盛で、いくら食べてもすぐにお腹がすいてしまう方に。排便を促すことで、からだに負担をかけずに、体内に溜まった熱を排出して皮下脂肪を取り除く働きのある漢方薬です。
体力のある方向け

構成生薬

滑石・黄苓・甘草・桔梗・石膏・白朮・大黄・荊芥・山梔子・芍薬・川芎・当帰・薄荷・防風・麻黄・連翹・芒硝・生姜

その生薬の特徴は?

防風・荊芥・麻黄・薄荷・・からだに入り込んだ風熱を排出

大黄・芒硝・・・・・・・・便通を通す

石膏・連翹・桔梗・・・・・消化器に入り込んだ熱を下げる

山梔子・滑石・・・・・・・小便をうながす

 

防風通聖散は体力のある人、脂肪太りの太鼓腹、食欲が旺盛で便秘がちな人向けです。
虚弱な方、体力の衰えている方は控えてください。
短期間の服用にとどめ連用しないでください。

 

大柴胡湯

どんな人向け?

がっちりした体格で、便秘がち、イライラや不安感、筋肉質だが引っ張られるような肩こり、上腹部のつかえ感、のぼせがある。
体力が充実した方向け

構成生薬

柴胡・半夏・黄苓・芍薬・大棗・枳実・生姜・大黄

大棗が入っていますが、これは女性の味方、『なつめ』のこと。

retoros.com

その生薬の特徴は?

柴胡・・・・・サイコサポニンが脂質代謝において中性脂肪の低下に作用
大黄・枳実・・こもった熱を排便によって排出する
芍薬・・・・・鎮痛作用
半夏・・・・・水分停滞の解消
生姜・大棗・・消化機能の亢進、イライラからくる便秘に

防己黄耆湯

どんな人向け?

消化機能が低下し、水分代謝が悪くなり、筋肉に締まりがなく、水分停滞による水太り、むくみ、重だるさ、疲れやすさをともなう肥満、良く汗をかくのにむくむ。
体力は中程度以下の方に。

構成生薬

黄耆・防已・蒼朮・大棗・甘草・生姜

その生薬の特徴は?

防已・黄耆・・・水分代謝を促進する
蒼朮(白朮)・・胃腸の状態を良くし、利尿作用により水毒を除く
大棗・・・・・・滋養強壮・利尿作用
甘草・生姜・・・消化器にに活力をあたえる

蒼朮・大棗・甘草・生姜の働きにより、体力の低下による水分停滞を滋養強壮・利尿作用・消化機能の賦活によって改善していく生薬です。

使用上の注意

市販薬の漢方薬についてのお話です。

黄苓・・・(防風通聖散・大柴胡湯に含まれる)

まれに、間質性肺炎肝機能障害を引き起こすことがあります。
次の症状が出た場合には服用を中止し、すぐに医療の診断を受けてください。

間質性肺炎・・・息切れ、発熱、空咳などの症状
肝機能障害・・・食欲不振、倦怠感、吐き気などの症状

甘草・・・(防風通聖散・防己黄耆湯に含まれる)

甘草の主成分はグリチルリチン酸で、血清カリウム値の低下を促進し、偽アルドステロン症を引き起こすことがあります。
次の症状が出た場合には服用を中止し、すぐに医療の診断を受けてください

偽アルドステロン症・・高ナトリウム血症、低カリウム血症、浮腫、高血圧などの症状
ミオパチー・・・・・・筋肉の疾患、筋力の低下などの症状

大黄・・・(防風通聖散・大柴胡湯に含まれる)

大黄は、主成分がセンノシド。瀉下作用があるので下痢を起こすことがあります。他の瀉下薬を飲んでいる場合は瀉下作用が激しくなるので服用しないこと。
授乳中の方は、成分一部が乳汁中に移行するため、授乳中の方は服用しないこと。

山梔子・・・(防風通聖散に含まれる)

山梔子は長期服用により腸管が慢性的に虚血状態になる腸間膜静脈硬化症を引き起こすことがあります。
次の症状が出た場合には服用を中止し、すぐに医療の診断を受けてください

腸間膜静脈硬化症・・・腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感

麻黄・・・(防風通聖散に含まれる)

麻黄の主成分のエフェドリンは、交感神経刺激作用を持つため、次のような作用を引き起こすことがあります。

交感神経刺激作用・・・発汗過多、動悸、頻脈、不眠(興奮による)など

 

コッコアポは漢方処方

コッコアポは4種類。


左から、防風通聖散、防己黄耆湯、大柴胡湯、当帰芍薬散

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肥満に向けた市販の漢方薬は、『やせ薬ではない』

しかし、肥満に向けた漢方薬は、食欲をおさえたりするような便利な『やせ薬』ではありません。
これらの漢方薬は、複数の生薬から成り、日々の生活の積み重ねにより生じた体の不調和に働きかけるもので、飲めば簡単に痩せる薬ではありません。


*肥満の原因となる余剰物の排泄、
*不足しているものを補う、
*巡りを良くして新陳代謝を活発にする、

そうやって体のバランスを整えることで、肥満を引き起こしている体質そのものを改善していくのです。
ですから、漢方薬を飲んでいるから、食べたいものを好きなだけ食べて、お菓子や甘い飲み物を毎日好きなだけ食べて、運動は面倒だからしない。。。というのでは望むような結果はえられません。

内臓脂肪減少薬アライ

4月8日に大正製薬から発売される、内臓脂肪減少薬 アライ
アライは、要指導医薬品と言って、薬剤師がお客様に直接お話しして販売することが義務づけられているお薬です。
アライは,今からだについている脂肪を減らしてくれるものではありません。
食べたものの脂肪の吸収を減らしてくれるのです。
からだに良いとされている油も対象になるのかな?そこはわかりません。

上記の疑問に、2024年4月10日追記アリ
アライをお求めのお客様がいらして、やはり脂溶性ビタミンの摂取を薬剤師より提案されたそうですが、ビタミンKの入ったマルチビタミンサプリは販売しておらず。。。
脂溶性ビタミンのみでしたら通販であるようです。

VALX(バルクス) マルチビタミン 脂溶性ビタミン】サプリ サプリメント ビタミン ビタミンA 750μg ビタミンD 50μg ビタミンE 268mg ビタミンK 200μg配合

しかしこれは、アスリートに必要な量なのでは?という疑問が。。。
ビタミンKは納豆、小松菜、玉露、抹茶、わかめなどの海藻類、ケール、モロヘイヤなどに含まれています。サプリで補わないといけないのなら、その量など薬剤師さんときちんとお話しした方がよいですね。

アライを飲める人は?

〇18歳以上
〇腹囲・・・男性85cm・女性90cm以上
〇食事や運動などの改善に取り組んでいる人

 

アライを購入する前に必要なこと

3か月間の生活習慣(たとえば、食事や間食の量を減らす、歩行量を増やすなど)に取り組んでいて、購入時、直近1か月の取り組みの記録の、提示が必要です。
スマホからブランドサイトに飛び、チェックシートを見ることが出来ます。
生活習慣記録シートは、スマホのLINEアプリでも利用できますが、調剤薬局にも置いてありますよ!

糖尿病や、脂質異常症、ほか、基礎疾患があり、医療機関の診断診療を受けている方は、まず、お医者様に相談してください。けして薬剤師さんに虚偽の申告をしないでください。まあ、かかりつけの調剤薬局で購入するならわかってしまいますけどね!

 

薬だけで痩せるのはむしろ不自然

ドラッグストアで十年以上働いていますが、食事のとり方や運動すること(実は睡眠も大事)も、同時にアプローチしていない方で、お痩せになったお客様は数少ないです。

私は、メンタルが豆腐並みに弱く食が細く、胃も丈夫ではありませんでした。
子育ての最中は、パートから帰ってきたら、クタクタでも夕飯の用意。
お腹がすくので菓子パンやチョコなど、とりあえずの甘い物をたべ、夕飯は家族の残り物に冷蔵庫にあるものを足して食べていました。
菓子パンのおかげで太りだし、疲れがひどすぎて運動なんてありえない!!!という日々。
意識しだしたのは50代半ばに入って、かずかずの不調に悩ませられるようになってからでした。
ですから、体力はなくなってきても、30代、40代の頃よりも、ずっとまともです。

昨今は、分子栄養学、アーユルヴェーダ、副腎疲労、消化酵素など、さまざまな見解やエビデンスを得られるようになり、60歳を過ぎてつくづく思うのは、ほとんどの不調は、

〇バランスの取れた、ちょうどよい量の食事

〇疲れ切ってしまわない程度の運動

〇良質の睡眠

このシンプルな三つのものでかなり改善できると断言します。

ごたくを並べる人ほど難しくなります。

若い時に気づきたかったな。

みなさんに向けてわたしから

*「レトロなわたし」のブログで、市販薬について書くことがありますが、
  処方箋について語ることはありません。
*自分が、実際飲んでいる、あるいは飲んだことのある処方箋については、
  その経験を語ることはありますが、効く効かないを保証するものではありません。
*登録販売者の資格の範疇でお話しできることに限らせていただいています。
*また、市販薬に関して、読んでくださった方々に対して、
  効く効かないと言う判断を示すことはありません。
*どんな症状に向けた市販薬か?ということを説明するために、
「○○に効く」と言う言葉を用いているものであり
  効果を保証する意味ではありません。

どうかご理解下さいませ。

また、市販薬の情報は、ブログを書いた時点でのものです。
持病があったり、処方箋を飲んでいる方は、
薬剤師さんに相談の上、市販薬をお求めくださいね

 

お薬に関しては、
人それぞれ考え方があります。
私も職業柄、お薬をお客様に紹介していますが、
そもそもお薬を否定されている方々も、
宗教上飲まない方々もいらっしゃいます。
私も、飲まないに越したことはないと基本的には思っています。
薬を飲むことをお勧めしているのではありません。
ご自分の症状に苦しんでいらっしゃり、薬を探しに来ていらっしゃる方々のお役に立てればとの思いです。

みなさま、どうぞおだいじに!